カイエンS

 まずはベリーサ。実は、今日現在、納車はおろか、購入申し込みすらしていない。中古か新古で見つかりますよ、という担当の言葉とは裏腹に、一月以上待っているのだけれど、まだ「見つかりました」の連絡が来ない。ここまで待つとますますベリーサ以外に乗りたくなくなってきたので、こうなったらやっぱり新車かなという気もしてきた。知り合いに訊くと、念願の車を半年待って中古で手に入れた、ということもあるらしい。うーん。車がないと生きていけないわけじゃないし、他に乗りたい車があるわけじゃないので、のんびり考えるつもり。先日、某雑誌を読んだとき、ポルシェのカイエンS*1という車がベリーサに似ている(ベリーサがカイエンSに似ているのかもしれないけど)ことに気づいた。こちらは車両本体価格8,640,000円。もう笑うしかない。
 ここしばらく、出勤の際の道を変えている。景色がちょっと変わるだけで楽しい。そのルート上に利口そうな犬がいて、毎朝「おっす」と心の中でつぶやきながら職場に向かっている。初めの数日はそばを通るだけで吠えられたのに、いつの間にか吠えられなくなり、今朝は横になって目を閉じていた犬が、僕が近づくと一瞬目を開けたくせに、再び目を閉じてしまった。「なんだお前か」と言われたような気がして、妙におかしい。
 午前中は仕事。今日は訳あって、Windows98のWordで文章書き。「アイダホ州法」と入力して変換キーを押すと、「間補修法」と変換され、思わず噴き出してしまう。間補修法。ここに3センチ、5センチ、10センチの隙間がある。この隙間を埋める方法を間補修法を用いて計算せよ、と無意味な問題まで考えてしまうほどおかしい。あと、Idahoという単語も苦手。まず「aho」の部分に目がいってしまう。
 昼前に職場を出て本屋へ。柴田元幸さんの新刊が出ているのを見つける。『バレンタイン』(新書館)。柴田さんの「初の小説集」だとのこと。庄野潤三『自分の羽根:庄野潤三随筆集』(講談社文芸文庫)と一緒にお買いあげ。今日の立ち読みは、『都心に住む』の角田光代さんと堺雅人さんの対談、『僧苑』の「永遠に愛されるもの」など。レジ横にて、「本が好き」という小冊子を見つける。光文社のPR誌で今回が創刊号。執筆陣は川上弘美夏石鈴子松尾スズキ山崎ナオコーラ。。。テーマエッセイの「恋をした時に読む3冊」をの小川洋子セレクトだけをちらって読んで(だっておもしろそうな本が紹介されていてそれをついでに買ってくればよかったって帰宅後に後悔するのいやなんだもんほんとにまあ)、いただいて帰る。ちなみに、小川洋子さんの選択はエリザベス・マクラッケン『ジャイアンツ・ハウス』(新潮クレストブックス)、小池真理子無伴奏』(集英社文庫)、レイモンド・カーヴァー『ぼくが電話をかけている場所』(中公文庫)の3点。帰宅途中、僕が選ぶとしたら、とぼんやり考える。天の邪鬼なので、人が絶対に挙げないような作品を選びたくなる。デイヴィッド・ベズモーズギス『ナターシャ』(新潮クレストブックス)、丸谷才一「鈍感な青年」(『樹影譚』文春文庫所収)、近藤啓太郎『白閃光』(日本経済新聞社)。以上3点。明日選べば違う3点を選ぶと思うし、明後日選べばまた違うのを選ぶはず。その程度の、思いつきの選択。

短篇集 バレンタイン

短篇集 バレンタイン

自分の羽根 庄野潤三随筆集 (講談社文芸文庫)

自分の羽根 庄野潤三随筆集 (講談社文芸文庫)