帰省

 昨日の夕方、実家に戻ってきた。駅に着いて、改札を抜けたところで呼び止められる。昔、ひそかに好意を寄せていたMさん。ずっと会ってないけれど、僕もすぐわかった。「夏休み? って学生じゃないか。変わらないねー」とMさん。「Mさんこそ、もっときれいになったね」と僕。当時は言えなかった「好きだ」という言葉、今なら言える。というような劇的な展開が世の中にはそうあるものではなく、僕を呼び止めたのは同級生Sくんのお母さんだった。このお母さん、僕は昔から苦手で、昨日も僕の仕事や結婚のことなど、根掘り葉掘り訊いてきた。Sくんとは疎遠なままで、彼の近況を訊きたかったのだけれど、このまま話し続けるのはうんざりだったので、「すみません、待ち合わせの時間があるので」とお茶を濁してその場を離れた。それにしても、よくわかったものだ、
 一夜明ける。水・木・金の3日間の帰省中に、大量の本の整理をしないといけないのだけれど、今日できることはできるだけ明日に延ばすという僕の信条にしたがって、午前中は妹くんの自転車を借りて近所をぐるぐるしてきた。新しくコンビニができたり、近所の書店の文芸書の棚が小さくなってマンガ特設コーナーになっていたり、微妙な変化を楽しむ。坂の上までえっちらおっちら自転車を漕いで、長谷川京子のC1000タケダレモンウォーターのCM*1(「すーーーーー」と言いながら自転車で坂を下りるという、あれです)のようなこともする(あなた30ですよね)。帰宅して、午後から出かけるという母とそうめんの昼食を終え、PowerBookを開く。今回はPowerBookを持ってきたのだけれど、休みとはいえ、仕事関係のメールがつい気になって見てしまう。一件、返事が必要なのがあったのだけれど、見てなければ見てないで、「夏休みだったんで、返信が遅くなってすみません」と来週返してもまったく問題のない内容。そうは言っても、読んでしまった以上、そのまま放っておくのもなんなので、返信してしまう。そしたら、その返信に対してまた返信が来て(苦笑)、この期に及んで「休みなんで、勘弁してくれー」とは言えず、また返信したら、また返信が来るという悪循環。来週の月曜日まで、仕事のメールはもう読まない。