昨日のできごと

 金曜日に予定外の仕事が入り、土曜日に出勤することになる。といっても、ときどき予定外の仕事が入ることは織り込み済みなわけだから、そういう意味では予定外の仕事というのはおかしな表現であるような気がする。あえて言うならば、織り込み済みの予定外の仕事。混沌の中の秩序、あるいは組織化された無秩序、仕組まれた偶然。。。まあ、人生いろいろということで。昨日は昨日で某イベントに出席するために隣県の県庁所在地へ。ちょうど昼時だったので、駅前の食堂でラーメンを食べる。ちぢれ細麺に、厚いチャーシュー一枚、味の付いた筍の子ども(正式名称を知らない)と蕗、わかめ、海苔が入ってあっさり醤油味。680円也。ラーメンはしょうゆベースのあっさり系が好みなのでおいしかった。駅前から路面電車に乗って目的地へ。2時間ほど仕事をしてから、また路面電車に乗り、今度は駅の先の中心市街まで。デパート前の電停で降り、事前にiタウンページで調べておいた古書店を目指す。商店街のアーケードを抜け、横断歩道を渡ったところにある小さな店。一歩入ったとたん、うわー、好きなタイプの古本屋だなあ、と思った。文庫類がとても充実していて、内田百けん旺文社文庫版が驚くほど揃っていた。ただ、価格は一冊900円。絶妙な価格設定だなあ、と思う。900円。高すぎるとは思わないけれど、ぽんぽん買うわけにはいかない、というのが「絶妙」の意味。とりあえず昨日は、状態のよい『ノラや』(900円)と、講談社文芸文庫の棚から、幸田文『番茶菓子』(400円)を購入。後者は一冊すでに持っているのだけれど、いい本なので誰かにあげてもいいや、と思って。講談社文芸文庫は何冊持っていてもいいような気がするし(もちろん、転売目的ではなく)。棚の物色中、店の電話が鳴り、店主と思しき初老の男性が電話に出た。電話の相手はどうやら、売りたい本があるらしい。けれど、店主はまったく乗り気でない。いはく、そういう本は置かない方針なんですよ、そういうのは記念に持っておかれたほうがいいんではないですか、と。ところが電話の相手は簡単に引き下がらない様子。店主が生返事しているからきっとそうなのだろう。店主もしまいには、もう切りますね、はいごめんなさい、と通話を一方的に打ち切っていた。どういう本だったのか、気になるところ。仕事が夕方までかかったらこの一軒でやめておこうと思ったのだけれど、まだ5時前だったのでもう一軒の古書店にも行く。一歩入ったとたん、ここはちょっと、、、と思ったのだけれど、探していた本を2冊も発見。人間の第六感なんてあてにならないものだ。まずは日本古書通信社が出している、『21世紀版 全国古本屋地図』。先日読了した、田中栞さんの『古本屋の女房』で知ったもの。日本全国の古書店が地図入り(すべてではないけれども)で紹介されている。2001年発行の最新版だけれど、すでに品切(2001年で最新版ってのもどうかと思うけれども)。収録されている情報が古い(すでに閉店・移転したのがそのままだったり)、あるいはブックオフなどの新古書店が掲載されていない、といった欠点があるようだけれど、それはインターネットで補完すればいいのであって、手元に一冊あるととても重宝しそうだ。500円で。もう一冊はフェルナン・プイヨン著(荒木亨訳)『粗い石:ル・トロネ修道院工事監督の日記』(形文社)。この本も以前から読みたいと思っていたのだけれど、この出版社は直販でしか本を売らないので(しかも以前メールで注文を出した際、エラーで戻ってきたことがある)、そのうち買おうと思っていてそのままになっていた本。新品同様の本を2,000円で入手できた。電車に乗る前に駅ビル内の書店に寄り、『コヨーテ』(2005年9月号)を購入。川上弘美角田光代と好きな作家の名前が表紙に並んでいたから、というのも購入の一つの動機だけれども、もっとも惹かれたのは「いつも、どこでも。手のひらの中で読む、動物園本49冊」という記事。幸田文さんの『動物のぞき』はやっぱりな、という感じだったけれども、それ以外の本はどれも新鮮でまた少しずつ読んでいきたいものばかり。駅に着き、自宅まで歩いている途中で甘木さんから電話。秋刀魚いらない?、と。20時頃に届けてくださることになったので、スーパーに寄り、かぼすを買う。それから、輸入モノの松茸(980円)を買い、松茸ごはんに。ちょっと早い気がするけれど、秋の味覚を満喫する。明日は振休。うまくいけば(何と不謹慎な!)水曜日は台風で休みになって二連休?