閑職

 午前中に外で打ち合わせ一件。終わったのが11時半頃で、その足で美術館で開催中の企画展を見にいく。会場をゆっくり歩いていると、見たことのある顔があった。某社のK常務。向こうもすぐに気づいて、昼間に美術館だなんてお互い閑職だねえ、と笑っておっしゃる。「お互い」閑職だと言っているのだから、「はい、そうですね」と応じるわけにはいかないので、えへへと曖昧に笑って済ましておいた。K常務はさっさと会場を後にしたけれど、僕はのんびり観る。すると、右のほうから、視線を感じる。その視線の先には、女性が。そうであれば小説になるのだけれど、実際にいたのは僕とほぼ同世代の男性。明らかに、僕をじっと見ている。自意識過剰とかそういうのじゃなく。んで、ニヤニヤしている。うわー、気持ち悪いなあ、と思って、無視して作品を眺める。独り言を言いながら出口の方へ向かう男性。男に見つめられたのって(おいおい)、初めてかもしれない。その後、会場を出て、タレルの部屋で空を見上げてクラクラし(この感じはたまらない)、ここで昼寝したい衝動をおさえて、ミュージアムショップをのぞく。ここに先ほどの男性がいて、モールスキンのノートを見ていた僕をまた見ている。しばらくすると、ポストカードを買って、店員さんに何かごちゃごちゃ言って、出て行った。
 美術館を出て、今度は自宅用のテーブルランプを探しにいく。無印良品には気に入るものがなかったので、Francfrancをのぞく。シンプルなデザインで、手ごろな値段のがあったのだけれど、長く使いたいものだけに、もう少し高くてもいいかな、という感じがして、断念。そのうち、コンランショップでものぞいてみようかしらん。