オースター

 数日前に衝動的にダイアリーのデザインを変えてみた。
 昨日から、ポール・オースターの『The Brooklyn Follies』を読んでいる。最初の章だけ読むつもりが、久々のオースター節にすっかり魅了されてしまい、あれよあれよという間に、Tomが金を稼ぐために行った精子バンクで妹のヌード写真が載ったエロ本(品のない表現だけれど、この言葉が文脈的にぴったり)を見つけてしまうところまで読み進めてしまった。57ページには「tranquility」という単語が出てきて、にやにやしてしまう私。単純だ。
 というわけで、今朝は眠くてなかなか布団から出られず。おまけに寒い。時間ぎりぎりに家を出る。職場までの道すがら、地面に積もった雪が踏み固められて、つるつる滑る。こういう状態、つまり、積もった雪が踏み固められて凍った状態を「きんかんなまなま」とこちらの地方では表現するらしい。きんかんなまなま。変換してみた。近刊生々。週刊ポストか。地元出身のスタッフに訊いてみたら、「きんかん」は柑橘類の「金柑」らしいことがわかった。「なまなま」はわからないとのこと。「金柑なまなま」。よくわからない。他におもしろい冬に関する表現はないの、と訊くと、「たんたるき」ってご存じですか、と言われる。「たんたるき?」。たんたんたぬきの、という唄(?)はあるけれど、「たんたるき」は知らない。これ、氷柱のことらしい。たんたるき、も語源がよくわからない。「きんかんなまなま」も「たんたるき」も、聞いた感じでは冬の言葉とは思えない響きだけれど、だからこそ余計に楽しい。ただ、僕らの世代の人間はもう使わないらしい、と教えてくれたひとは付け足していた。僕は使いますぞ。きんかんなまなま。たんたるき。
 昼頃、晴れ間が出てきたので古書店(兼中古CD屋)へ行く。特に欲しい本はなく、CDの棚を見ていると、「ジェットストリーム ときめく愛の時」という、見慣れないCDを見つけた。ジェットストリームのCDって、ホームセンターで1枚500円くらいで売っているな廉価版から、CD屋で2,000円超で売られているものまでいろいろある。んで、今日見つけたのはこれまでに見たことがない代物。曲目はマイ・ウェイ愛と青春の旅だちなどあまり惹かれるものではないけれど、珍しいので買ってみることにした。価格は1,000円。定価はいくらか見てみると、その表示がない。おかしいなあと思ってジャケットをよく見ると、「日本航空をご利用いただきましてありがとうございます」と書いてある。機内で配られたものなのか。とにかく、買う。職場に戻って調べてみると、Wikipediaに記述があって、「JALファースト・クラス乗客のみ配布された(原文ママ)完全非売品」とある。道理で見たことないわけだ。他に6枚あるらしい。気になる。

Brooklyn Follies

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