あたたかい一日
午前中は文章書き。400字程度のものを3つばかり(=A4用紙1枚に納まる分量)。このくらいの長さの文章って、割と難しい。はじめに書いたものは、自分で書いておいてなんだけれども、美辞麗句を並べた大味な文章になってしまった。かといって全部捨てるのもなんだかなあ、と思って、一部削って書き込んでゆく(=具体例を盛り込む)と、今度は締まりのない文章になってしまった。このダイアリーのように、だらだらずるずる型の文章(中身がないとも言う)は難なく書けるのだけれど、エッセンスだけをぎゅっと込めた短文を書くのは苦手だ。ぴりりと山椒の効いた文章、それでいて甘いたれの味も感じられる文章。そりゃ鰻丼だ。そんなのを書けるようになりたい。3つのうち1つを書き終わった時点でちょっと休憩したくなり、書店まで出かける。新刊コーナーで、樋口某の『たった400字で説得できる文章術』(幻冬舎)という本が平積みになっていた。普段だったら絶対手に取らない本だけれど(著者は樋口某だし)、今日はぱらぱらとめくってみる。(あんまり本/著者の悪口は言わないようにしているけれど)うーん、やっぱりつまらない。「たった400字で説得できる文章」の書き方を指南してくれるのであれば、400字でこの本を買うように説得してみろよ。だったら買ってやるよ、と偉そうなことを思いながらぶらぶら。雑誌コーナーでは『広告批評』の2月号「広告 2006」、『Casa BRUTUS』の器特集(+伊東豊雄特集)を立ち読み。ついでに洋書コーナーものぞく。Haruki Murakamiの『Vintage Murakami』という見たことのない本を見つける。短編集かと思ったら、村上春樹の諸作品の冒頭部分だけを集めた本だった。それから、『How to Get into Harvard Law School』という本もなんとなく手に取ってみた。んー、なんだかアメリカ版エール出版社の本みたい感じだ。『私のハーバード・ロー・スクール合格作戦』。最初のページにはリース・ウィザースプーンが出てくると面白そうだ。「恋人を追いかけて受験を決意」とか。書店を出て、ブックオフにも寄る。文庫の半額棚に庄野潤三さんの『プールサイド小景・静物』(新潮文庫)が並んでいた。数年前に改版・再発売されたもの。この本、一時期必死になって探していたのを思い出した。古書店に入るたびに「し」の棚を見ていたものだ。結局見つけることができず、忘れた頃に復刊され、嬉しく感じたものだ。同じように探していた本に、小島信夫『アメリカン・スクール』(新潮文庫)がある。これも数年越しの捜査の末、広島の古本屋でようやく見つけた。その後もう一冊見つけたので購入した(今度は大井町阪急のブックオフで)。そのうち誰かに譲るつもり。
職場までの帰り、庄野潤三さんの本のことをぼんやり考える。『ザボンの花』と『夕べの雲』はもともとは日経夕刊の連載小説だったそうだ。あの時代のサラリーマンはあれを読みながら帰宅していたのかと思うと、ちょっぴりうらやましい気になる。
Vintage Murakami (Vintage Original)
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How To Get Into Harvard Law School
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- 作者: 庄野潤三,阪田寛夫
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