メールに負けた

 午前中、某所への問い合わせメールを書く。込み入った内容なので、要点がわかりやすく伝わるように推敲を重ねる。1時間かけてようやく書きあげ、時間をおいて再度チェックして送信することにして、次の書類仕事にかかる。同時に6部のA4用紙(それぞれは綴じてある)を相互に照らし合わせる必要があったので、キーボードの上にも書類を置き、またその上にも書類を置く、という状況。一通り書類をチェックし終え、さきほど書いたメールをチェックしようとすると、宛先のメールアドレス、件名は残っているのに、なぜか本文が、ない。ない。ない。ない。ない。あれほど念入りに書いたメールが、ない。まったく身に覚えがないのだけれど、書類をキーボードの上に置いたときにどこかのキーに触れてしまったのか、あるいは神様のお咎めか。かなりショックだったけれど、人間って存外記憶力あるもんですね。割と楽に書き直すことができた。やれやれ。
 職場で呼び鈴が必要になり、僕が買いに行くことになった。ああいうのって、どこで売ってるのだろう、と思ってとりあえず向かったのはデパートの文具売り場。一通り売り場を見てみたものの、あいにく置いてない様子。だめもとで店員さんに尋ねるのに、「ハンドベルありますか」と言ってしまった(「呼び鈴」という言葉も出てこなかった。ちなみに職場で聞いた当該製品の正式名称は「カウンターチャイム」)。ハンドベル。クリスマスじゃあるまいし。言った直後に自分であれ違うやと思って、ジェスチャー(人差し指でマウスをクリックするような動作をして)と声(口で「チーン」と言う)で自分でもバカみたいだなと思いつつ伝えてみた。そしたら、「あーあります!」との答え。確かにあった。思ったよりも高くはなくて、1,260円(税込)。包んでもらい、デパートを出て本屋へ。歩いていると、チーン、チーンと袋が揺れるたびに呼び鈴が鳴る。これは恥ずかしい。最後に買えばよかったのに、と思いつつ、できるだけ袋を揺らさないようにして本屋へ。そっと持っているつもりでも、思わぬタイミングでチーンと鳴ってしまう。誰かに気づかれはしまいかと思いつつ、びくびくしながらブラウズ。前から気になっていた、松浦弥太郎長尾智子『独白ニュースレター』(DAI-X出版)を買う。