2月も終わり
明日から3月。このところ暖かい日が続いていたのに、昨日からまた寒くなってきた。金・土は雪の予報。寒いと朝はつらいけれど、外に出て冷たく張りつめた空気をからだ全体で受け止めるのは悪くない。温かい飲み物はおいしいし、柑橘類も魚もうまい。夏よりも本を読めるし、仕事もはかどる(気がする)。そう思うと、冬が終わってしまうのは残念だ。けれど、春が来たら春はいいよやっぱり一年で一番いい季節は春だよ姉さんと思うし、夏は夏でアイスがおいしいし、秋は秋でそうだ京都行こう。だからこそ、日本には四季があるからいいんだよという至極平凡な結論に落ち着いてしまうのはおもしろくないと思う天の邪鬼な私。
仕事を終えて、いつもの本屋まで歩いてゆく。少し前に車を買おうかと真剣に考えたことがあって(けれど、冬の運転が恐すぎるのでやめた)、そのときに第一候補として考えていたのがマツダのベリーサ。デザインが気に入ったのはもちろん、予算的にもちょうどよいし、それでいて街で見かけないのがいい。でも、見かけなさすぎだ、とも思っていた。街で走っているのを見たことがない。もしかしてそんな車はこの世に存在しないのでは、とは思わなかったけれど、あの車に乗りたいと思うひとがここまでいないのか、とちょっと不安になった。もしかして変な車なのでは、と。んで、少し前に職場でベリーサがいいという話を車に詳しい同僚にしたら、えーあれってデミオと区別つかないっすよデミオのほうが安くていいっすよベリーサなんてやめたほうがいいっすよ、というようなことを言われて、買ってもないくせにむっとした。なぜこんな話を長々と書いているかといえば、書店への道すがら、初めてベリーサを見かけたから。真っ赤の。いいねえ、ベリーサ。やっぱり欲しくなってきた。冬も終わるし。さっきは冬が終わって残念って言ってませんでしたっけ。
書店にて。『TITLE』の「デザイン全開なエアライン選び」、絲山秋子さんの『沖で待つ』(文藝春秋)をお買いあげ。買うつもりだった柴田元幸さんの『翻訳教室』(新書館)は見あたらず、斎藤綾子さんの『ハッスル、ハッスル、大フィーバー!!』(幻冬舎)と『自遊人』の神保町/器特集をぱらぱらとめくって帰宅。
- 作者: 絲山秋子
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