アンスリー

 金・土と出張。金曜日は八幡市京都府)、土曜日は奈良へ。金曜日は9時半すぎに京都着、そのまま奈良線東福寺に出て、京阪電車に乗り換えて八幡市まで。八幡市の駅前に「アンスリー*1」なるコンビニがあって、ならいっそのことアン・サリーにしてしまえばいいのに、とは思わなかったけれども、アンスリーという名前の由来がまったく想像できなかったので、帰宅してから調べてみた*2。「アンスリー(an3)とは、京阪電気鉄道南海電気鉄道阪神電気鉄道の3社が運営しているコンビニエンスストアである。 名前の由来は、3社の共通文字(KEIH[AN]・N[AN]KAI・H[AN]SHIN)からきている」とのことです。一つ賢くなりました。駅までMさんに迎えに来ていただき、13時くらいまで打ち合わせ。その後、昼を食べに行きましょうということになり、キッチョーの予約をとってあるという。キ、キッチョー? キッチョーってあの吉兆ですよねえ、と確認すると、そう、という。かなりびびってしまったtranquility氏でありましたが、連れて行っていただいたのは吉兆の松花堂店*3で、松花堂弁当をいただく。四つに仕切られた箱に入ったお弁当(憶えている範囲で書くと、鯛とイカの刺身、茄子の煮たの、だし巻き玉子、白身の魚の焼いたの、えびとオクラの焼いたのなど)に鱧のしんじょの吸い物と漬物。どれも薄味。素材のもち味を活かすっていうのはこういうことなんだなあ、と妙に納得。和食はいいなあ、と思う。昼食を済ませて、同じ敷地内にある松花堂庭園*4を腹ごなしに散策。腹ごなしというほどお腹一杯になったわけではないけれども。今年は一度も蚊に刺されていなかったのに、庭園を散策中に右腕を刺されてしまった。普通気づくでしょう、こういうところ刺されたら、とはEさん。ご指摘の通りであります。自分でも気づかなかったのが不思議なくらいです。だから半袖クールビズは困るのです。それにしても痒い。見る見るうちに大きく腫れたものの、庭園内にある水琴窟*5の水で冷やすと落ち着いた。午後も打ち合わせ。終了後またMさんに八幡市駅まで送っていただく。次の予定は17時45分に京都高島屋前。打ち合わせが早く片づいたため、少し余裕がある。ジュンク堂で時間を潰そうかと思っていたのだけれど、それじゃつまらない。そこで、先日、id:pippuri:20050913さんが紹介されていた、恵文社一乗寺店*6へ行ってみてはどうか、と思った。ただ、初めて行く場所だし、もしかしたらとんぼ返りになるかもしれない。どうしようか、ととりあえずPowerBookを久しぶりに携帯電話につないで、経路を調べる。時間がなくなったら潔く諦めようと、行くだけ行ってみることにした。八幡市駅から京阪電車に乗り、終点の出町柳まで。地上に出て叡山電車に乗って一乗寺まで。電車を降り、駅出口を右折して3分くらい歩いたところにあった。薄暗い店内。幸田文三島由紀夫内田百けん武田百合子堀江敏幸、『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』、、、僕の好みの本やムック類がたくさん並ぶ。料理エッセイなんかも充実してたっけ。1時間くらいはすぐ経ってしまいそうな店。ただ、無情にも、今日はこの後に予定が入ってしまっている。何かここでしか出会えないような本を、と思ったのだけれど、たった5分という滞在時間ではそんな本にお目にかかれなかった。とはいえ、何も買わないで出るのもなんなので、目についた本の中から、幸田文『駅・栗いくつ』と西東三鬼『神戸・続神戸・俳愚伝』(いずれも講談社文芸文庫)の二冊を買う。オリジナルのブックカバーでもつけてくださるかな、と淡い期待をもっていたのだけれど、無地の白い紙袋に入れてくれただけだった。また時間のあるときに訪問したい。あの界隈の商店街もなかなか楽しそうだったし。帰りも叡山電車出町柳まで出て、京阪に乗り換え。時計を見ると待ち合わせ時間まで若干の余裕があるので、三条で下車してブックオフに寄ろうかと遅疑逡巡しているうちに三条を過ぎてしまった。四条で降りておとなしく高島屋へ。院時代の後輩と食事して駅前(というか駅内か)のホテル泊。安い部屋だったので、内側に面している部屋のため、眺望はまったく駄目。期待以下。ホテルのwebページには「駅ビル内景観」と書いてあるので、文句は言えないのだけれど。
 翌日は朝から奈良へ。みやこ路快速で40分ほど。京都・奈良間ってJRの各駅停車で70分もかかるらしい。そんなに遠かったっけ。駅構内のJuice Barで買ったジュースを朝食がわりに飲む。13時すぎまで仕事。近鉄奈良駅まで車で送ってもらう。昼食は駅近くのそば屋さんでだし巻き玉子定食。だし巻き玉子定食って珍しいと思うのだけれど、そば(油揚げ入り)、煮物(えび、椎茸、卵豆腐)、ごはんにだしをたっぷり吸った大きなだし巻き玉子が二つも。これで850円。こんなの食べた日にゃ、グランヴィアの朝食ブッフェ2,400円なんてばかばかしくて払ってられない。食べなくて正解だった。折角奈良まで来たのだからと、奈良公園東大寺まで出かける。大仏殿を歩いていると、中学生くらいの4人組(ダブルデートみたい)から、シャッターを切ってくれと頼まれる。いいですよー、と軽く引き受けたら、それじゃ私も、僕も、俺もという具合に銘々の使い捨てカメラを僕に渡してきた。合計4台。うまく撮れていればいいなあ、と思う(もし失敗してたらこの場を借りてお詫びしておきます。ごめんなさい)。鹿の糞を踏まないように来た道を引き返し、今度は遊・中川*7という店へ。何かの雑誌で、携帯用のお茶道具を売っているということことだったので行ってみた。ただ、奈良市内の位置関係がまったくわからない。そこで奈良公園の前からタクシーに乗ることにする。タクシーに乗り、ここに行ってください、とプリントアウトした地図を差し出すと、これは何ですかもじゃもじゃもじゃもじゃ、と言う(要するに知らないらしい)。僕の手から地図を取り、またもじゃもじゃ言い出して、ここから近いよもじゃもじゃ、という。どれくらいですか、と聴くと、5分か10分か15分かな、とまた曖昧な反応。ちょっとカチンと来て、「後ろの車(違う会社の)で行きますから」と言うと、行きます、と言う。基本料金で着いたのでたいした距離ではないのだけれど、徒歩だと確実に迷子になってた、という場所にあった。店内は思っていたよりも狭かったけれど、手頃な値段で麻を使った製品がいろいろ置いてある。お目当てのお茶道具は断念したものの、ペンケースと文庫本カバー(しおり付き)を購入。店員さんもとても感じのいい方だった。店を出て、徒歩で近鉄奈良駅まで引き返す。関西圏の私鉄事情がよくわかっていないのだけれど、近鉄の特急は特急券がいるんですね。はい、勉強になりました。あと、国際会館行きの電車に乗って、地下鉄の京都駅で降りると別料金になるんですね。竹田駅で乗り換えが必要なのですね。1時間ほどかけて近鉄京都着。帰りの特急までまだ時間があったので、伊勢丹やらportaをぶらぶら。portaではなんと古本フェアを開催中。たくさんの本が並んでいたわりには欲しい本はなく(講談社文芸文庫なんて全然なかったし)、買ったのは岩波文庫寺田寅彦随筆集5巻揃。2,000円。だぶりもあるけれど、勢いで買ってしまった。一冊ずつちまちま買うのではなく、まとめてどんと買うってとても気持ちがいいのだとわかった。帰宅すると、ku:nelの最新号が届いていた。いつものビニール封筒が妙にふわふわするのですぐ開けてみると、オリジナルのリネンハンカチが入っていた。これ、新規ではなく継続でもいただけるんですね。ありがとうございます。それから、村上春樹の『東京奇譚集』と『のだめ』の13巻は出張中に配達されたらしく、不在連絡票が3枚も入っていた。今日も一日仕事だったので、まだ受け取っていない。