10月12日

 ぐっすり眠れた。ホテルではたいがい夜中に何度も目を覚ますのだけれど、われながら見事なくらい朝までぐっすり。7時になるのを待って朝食。洋食ブッフェと和食から選択。今日も和食にする。和食レストランではコーヒーが出ないので、ホテルの向かい側にあるスターバックスまで買いに行く。
 8時頃、Oさんが迎えにきてくださる。彼女の車で目的地へ。打ち合わせやらなにやら。昼前にかたづけなければならない仕事を終えると、これからどこかへご案内しましょうか、とOさん。道後温泉は? と訊いてくるので、小声で「きのういきました」と言う。すると、松山城は? と訊いてくださったので、実は昨日はもう閉園時間だったんですよー、と言うと、それじゃお伴しましょう、と言ってくださった。Oさんの車に乗り、出発しようとしたところでOさんの携帯電話に着信。どうやら、ちょっとしたトラブルが発生した模様。彼女に悪いので、タクシーで行きますよ、と言うと、いえいえそれには及びません、と。結局、松山城のロープウェイ乗り場まで送っていただき、案内します、という好意だけありがたく受け取って、そこでお別れする。松山城はずいぶん高いところにある。入場券と往復のロープウェイの券を求め、階段を上って乗り場まで。10分おきに出るロープウェイがちょうど出るところだったのでそれに飛び乗る。周りは中年の団体。昼間っから酒くさい。それはともかくとして、とにかくうるさい。とりあえず空気げんこつをお見舞いしておく。ロープウェイを降りると、数軒の茶店が並ぶ。少し暑かったので、いよかんソフトクリーム(300円)を買う。ソフトクリームのおいしいことといったら。かなり長い坂道(登城道というらしい)を上がり、ようやく本丸へ。天守閣はチケット売り場で説明があったとおり、現在保存修理中でネットに覆われていて眺望がきかないのが残念だった。その代わり、小天守閣に入場可能。それから、いま松山城では、天守瓦2万人記名キャンペーンというのをやっていて、瓦に自分の名前を書くことができる。天守閣の入り口で確かにやっていたけれど、僕はなんとなく恥ずかしくてやめておいた。坂道を歩き、天守閣の急な階段を上り下りしたせいか、やたらと喉が渇く。途中の自動販売機で烏龍茶を一本。松山市内を一望しながら。この天守閣、本当に高いところにあるのだ、と再認識する。来た道をまた戻り、ロープウェイ乗り場へ。ロープウェイと並行して、リフトが張られている。僕はスキーの経験がないので、もちろんリフトには乗ったことがない。しかも、高所恐怖症の気もある。素直にロープウェイを待とうかと思ったけれど、何事も経験と下りのリフトに乗る。チケットを渡し、係員の指示に従って着席する。快晴だったので気持ちよい、という気もしたけれど、やっぱり恐かった。手に汗かいてたし。貴重な経験をいたしました。「6分間」と言っていたけれど、もっと短いような気がした。下に降り、徒歩で市電の大街道の駅まで。いったんJRの松山駅まで出て、おみやげ屋を物色。特にめぼしいものはなく、空港ゆきのバスに乗る。空港まで15分ほど。空港の売店で、自分用にてんぷら(じゃこ天)、かぼす入り七味唐辛子を購入。あと、職場にもいくつか買っていく。松山から東京、東京で乗り継いで戻るのだけれど、自宅に着くのは10時頃になりそう。そこで、軽く夕飯を食べておくことにした。松山空港の2階は右側が売店、左側がレストランになっている。レストランを回ってみたものの、あまり食べたいものがない。と、2階の中央にある手荷物検査場入口で、ポケットに入っているiPod nanoを取り出して、検査用のカゴに入れているひとを見かけた。しまった、iPodを鞄に入れて預けてしまった。機内でiPodがなくてもいいけれど、預けるときに、壊れものがないのか、と訊いてくるだけに、iPod壊れたらまずいな、と思って、もう一度1階に降りて、ANAの荷物カウンターへ。嫌な顔ひとつせず笑顔で対応してくださったので、救われた。ところが。荷物のきっぷを持ってカウンターの方が奥へ行っているあいだ、なんとなく手持ちぶさただったのでお土産の袋を見ると、iPodがそこにちゃんといた。平謝りに謝る。ごめんなさい。恥ずかしい思いをしたけれど、いいこともあって、1階のANAのカウンターのすぐ後方に、立ち食いのうどんやさんを見つけた。じゃこ天うどん(490円)を食べる。唐辛子をたっぷりかけて。じゃこ天はその場で油で揚げているようで、熱々のがくる。うどんに2つのじゃこ天。きっとはふはふ言いながら食べていたのだと思う。機内では、国土交通省からの依頼によるというアンケートが配られる。今日はどこから空港へ来ましたか、その手段は。今回の航空券の種類は。価格は。最終目的地はどこですか。これから国際線を利用しますか。年収は。などなど。いったん答え終わった後、見直すと、間違った回答をした箇所があった。自分の不注意はさておき、それにしてもこの質問票、質問文がこなれていない。わかりにくい。こういうレベルの低い質問票を見ると、ついつい突っ込みをいれたくなる。一部もらってくればよかった。それに、質問票の最後の、回答後はスチュワーデスにお渡しください、という文句には苦笑してしまう。国内の航空会社で、自社の客室乗務員のことをいまだにスチュワーデスと言っているところがあればぜひ教えてください、>国土交通省。羽田に着き、乗り継ぐ便の出発まで1時間ほどある。愛用している、モンブランのファインライナーのインクが少なくなっていたので、shosaikanならあるかな、と思って、乗り継ぎ客用エレベーターには乗らずに、いったん外へ出る。shosaikanに行くと、あいにくファインライナーのリフィルは切らしているのこと。こちらのボールペンのリフィルも使えますよ、と言われ、緊急避難的にそれを購入。


【支出編】
・本日のコーヒー(スターバックス松山いよてつ会館ビル店)  310円(スターバックスカード)
・松山全日空ホテル(前日のシーフードカレー、冷蔵庫の野菜生活1本含む)  11,413円(クレジットカード)
松山城入場券(ロープウェイおよびリフト代含む)  1,000円
いよかんソフト(松山城)  300円
・烏龍茶(自動販売機)  150円
・大街道→JR松山駅前(伊予鉄市内電車)  150円
・JR松山駅前→松山空港(旧空港通り経由伊予鉄バス)  300円
・すだち唐辛子、じゃこ天など(松山空港売店)  2,625円
・じゃこ天うどん(松山空港)  490円
モンブラン リフィル2本(羽田空港shosaikan)  1,890円
河野多恵子『小説の秘密をめぐる十二章』(羽田空港丸善) 550円