理解をつくる

 朝は寒かったけれど、昼に散歩に出たときには、軽く汗ばむほどの陽気だった。午前中、会議一件。会議とは名ばかりで、延々と説明を聞くだけの一時間半。今日の報告者、はじめに「今回の会議の目的」を説明してくださったけど、その「目的」とは「理解をつくること」とのこと。「理解をつくる」って日本語、変だけど、なんとなくおもしろいなあ、と思って、会議中ぼんやり考えていたのは、この場合の「理解をつくる」を英訳すると何になるんだろうなあということ。結局、perspective-makingで落ち着いた。なにが落ち着いたんだかよくわからないけど。資料にざっと目をとおし、暇だったので、東海道新幹線の駅名を新大阪から順に思い出すゲーム(?)をやってみた。新大阪、京都、米原岐阜羽島、名古屋、三河安城まで思い出して、そこから先が全然思い出せず(沿線の方々、どうもすみません)、三河安城の次は熱海、小田原、新横浜、品川、東京。こだまのつもりだったのに、駅をいくつも飛ばしてしまった。先週土曜日の日経によると、仕事に関係することをブログにする場合は、「完全に匿名」でいくのがいいらしい。僕の場合、確かにそのほうがいいようだ。
 昼休みに散歩に出る。CD屋にてビートルズのカバーアルバムの「Apple of her eye」を、本屋では鴻巣友季子さんの『明治大正翻訳ワンダーランド』(新潮新書)を買う。それから、法事用の金封を買いにデパートへ。今週土曜日、祖父の法事があるので、実家に帰ることにした。法事があることを一応知らせとけ、という父の命令で電話をかけてきた妹くん、僕が「行く」と即答したので面食らっていた(電話だからこの表現はおかしいかもしれないけど)。祝儀・不祝儀袋の類は文具売り場だというので、エレベーターに乗って上階へ向かう。僕のほかに中年女性が数人乗り込む。僕が「閉」ボタンを押そうとすると、店員さんが初老の女性の手をとってこちらに来るのが目に入った。店員さんはエレベーターはここですと教えている。どうやら、目が不自由な方らしい。その女性がエレベーターの前でもじもじされているので、店員さんが「お乗りになりませんか」と訊くと、「あとにします」と穏やかに言った。店員さんが「失礼しました、お先にどうぞ」と言うので、僕は「閉めますねー」と確認して「閉」ボタンを押した。エレベーターが上昇をはじめると、僕のすぐ後ろにいた中年の女性が「乗るつもりがないんならさっさとそう言えばいいのにねえ」と僕に話しかけてきた。あっけにとられて、聞こえないふりをする。「ですよね、いらつきますよね」とでも僕が言うとでも思ったのかしらん。
 祝儀袋はシンプルなものから華奢なものまで種類は豊富、値段も150円から500円、もっと高いのもある。それに対して法事用の金封は三種類しかなく、120円のと150円。150円のを買う。


Apple Of Her Eye りんごの子守唄

Apple Of Her Eye りんごの子守唄

明治大正 翻訳ワンダーランド (新潮新書)

明治大正 翻訳ワンダーランド (新潮新書)