タクシーに乗るのはむつかしい

 出張先の本屋で購入。はやめに着いたので駅前の書店で。商店街をぐるぐる回っているうちに、歓楽街らしいところに入り込んでしまった。ヨーロピアン美女××××ショーだの、なんとかエステだの、いかがわしいお店がずらりとならぶ通り。昼間だからしーんとしてたけれども、不気味だった。こういう空間に慣れてないもので。純情だねえ。
 用件を済ませて、タクシーで駅まで戻る。タクシーっていまだに苦手だ。僕と運転手さんの二人っきり(?)の空間。黙り込んでいるのも失礼な気がするし、かといってあれこれ訊かれるのも面倒だ。今日の運転手さんは初老の方だったけれども、「駅までお願いします」と言ったら、「はい」とはっきりと返事してくださったので、これは話しかけた方がいいのかな、と思うけれども、かといってこういうときの話題といえば天気か景気(最近どう?)くらいなもので、景気の話は若造がすると横柄な感じだろうから、「気持ちのいい天気ですね」と話しかけたら、「うん」と運転手さん。Q.E.D. それで終わり。話は広がらず。話しかけなきゃよかった。それから10分間、お互い無言のまま走るタクシー。駅に着いてお金を払うと、「ありがとうございましたっ」と元気に言う。なんだよー。